Black lives matter 私の思い
地球と共に生きるというテーマで作ったブログですが、もともと異文化や異人種と共に生きるといった視点や、グローバルな社会における文化の盗用等について記事を書いていこうと考えていました。
今回は世界中でデモが広がっている人種差別について、私が理解する範囲で意見を述べたいと思います。
私の育った環境
まず人種差別について意見を書く上で、私の環境を軽くお伝えしておきます。
私は日本で生まれ育った日本人です。母がゴスペルをしていた影響で家ではR&Bが流れていました。その結果、小学生の時からブラックカルチャーにハマり、観るもの、聞くもの、ファッションやダンスを始めたきっかけなどは全てブラックカルチャーに影響されています。小さい頃からブラックカルチャーが大好きだったので、肌が黒い人種に対して偏見はありません。
大学に入ってからは海外旅行にハマり、たくさん旅行しました。その後マルタに語学留学をします。
私は知らない文化を知り、それぞれの土地に住む私とは違う人種の人たちと知り合うのがとっても好きです。ワクワクします。だから旅行がやめられません。世界に友達が増えるのがすごく嬉しくて楽しいです。
こうして育って、自分なりに色々と経験しました。それを踏まえた上で、私の人種差別に対する思いを書きたいと思います。
日本の外国人に対する価値観
日本では、黒人のみならず全ての外国人に対して未だに珍しい目で見ることが多いと思います。日本の歴史や島国であることを考えれば、日本人以外がいる環境に違和感を覚えるのは自然かもしれません。
だから多人種国家であるアメリカと比べて、日本の価値観は狭いとか差別的だって言われても、それは仕方ないと思うんです。私たち日本人が生まれた環境は、日本人以外がほとんどいなかったので、そういう価値観になるのは自然だと考えています。
日本人も大好きなブラックカルチャー
日本は戦後からアメリカ文化が流れ込んできて、音楽や映画、ファッションなど広範囲で様々な文化がアメリカに影響されています。
私含め、周りの人はみんな音楽やファッションが好きな人が多くて、音楽においては私にとってブラックミュージックは欠かせません。
日本でポピュラーな音楽でいうと、ヒップホップ・R&B・レゲエ・ジャズ・ソウル、このあたりは全てブラックミュージックです。彼らが産んだ音楽ジャンルです。これらのジャンルが好きな日本人はたくさんいますよね。
音楽以外にもたくさんありますが割愛します。
きっとこれらの音楽に癒され、救われた人も多いと思いますし、私の周りには彼らのカッコよさに憧れてその道を目指そうとしている人も多いです。
しかし世界では文化の盗用が話題にされる事がありますが、盗用されるのは個性的な民族文化など、有色人種の文化が多いと聞きます。日本人が黒人の服装や黒人独特の歌い方など、かっこいいと思って真似していると、それを盗用と捉えられる可能性もあるのです。この事についてはまた詳しく記事にします。
今回の人種差別問題に対する日本人の意見
日本のSNSの中で、仲の良い友達やその他色んな人の意見を見て、以下のような考え方の人に分かれている気がします。比較してわかりやすい意見だけ簡単にまとめました。もちろん他にも色んな視点からの見方があって、これだけではありません。人種差別というセンシティブな話題に対しての考え方は十人十色だと思っています。
日本に住む人の意見では
私はこの分野にはあまり詳しくないので発言するのは戸惑うし、沈黙は暴力だって言われて回ってきたものをよくわからずに、ただシェアしてコメントするっていうのも正直どうかと思う。
というようなコメントを多く見ました。もちろんこのような発言をするという事は、しっかりと人種差別について考えた上での発言だと思っています。
逆に海外に住んでいる人は日本に対して、
みんなで声を上げて行くべきだし、ブラックカルチャーを尊敬して愛してるならこういう時こそ一緒に立ち向かって行こう。日本はいざっていう時はこういう話題を避けている(とアメリカ人の友達に言われた)。
といった意見もよく見かけました。
私はどちらの考えも同時に持っていました。ブラックカルチャーは日本に溶け込んでいて、知らんふりはできないと思います。しかし前章で書いたように、生まれ持った価値観を通して、日本人以外の価値観を根本から知ることが難しいのも事実です。いくらブラックカルチャーが大好きでも、日本からすれば異文化であり、そのもっと先の深い概念とか価値観までは理解し難いとも思います。
だからこそ人種差別に嫌悪を抱いていても、発言する事をためらう気持ちになってしまいます。それに対して日本人はダメだとか、結局日本人はそんなもんなだな、とか思われるのは違うと思うんです。
それぞれの国に生まれてるから根本の価値観が違うのは当たり前です。人種差別について議論すべきなのに、個人の意見や発言するしないといった事に対してお互い言い合うのは本末転倒だなとも思います。
あるネット記事で、元AKB48の大島優子さんがBlack lives matterと黒い画像をSNSに投稿して、黒人差別に立ち向かう表明をしたら、ネットで批判されているという内容がありました。この大島優子さんの投稿批判に対して全国紙社会部記者は、
「大谷翔平やダルビッシュ有など、チームメイトに黒人がいるような立場ならある意味、仕方ないとも言えますが、大島などは一度海外留学した程度ですからね。ニューヨークではデパートのショールームから略奪などをした暴徒700人以上が逮捕される事態になっています。もはや部外者が、お気軽にネット上でマウスをクリックして、その気になっている場合じゃないと思いますよ」
と述べていました。
出典:大島優子に批判殺到!? “真っ黒画像”投稿も「口を出さない方が…」(2020年6月3日)|ウーマンエキサイト(1/3)
確かに暴動はエスカレートして、略奪行為も広まっています。でも人種差別について意見を述べることがそんなにも批判されることなのか疑問に思います。どんな人ならこの問題に口を出していいのでしょうか。海外留学したことがある程度の人間が人種差別を語るな、と言われているような気がします。私もその程度で差別に立ち向かう発言などすべきでない、ということなのでしょうか。このような偏った発言を記事にしてしまう社会に怒りを感じます。
私の考え
白人警官がジョージフロイドさんを殺害した動画を含め、様々な酷すぎる暴力映像を見て、私は心から傷つき、悲しみました。なぜ当事者じゃない私がここまで悲しめるのかと思う人もいるかもしれません。もちろん彼らの苦しみや悲しみを100%理解はできません。
私は世界に友達ができる事が楽しくて色んな国の人と当たり前に仲良くなってきました。この経験は強い差別意識(少なからずあるのは事実です)を持っていたらできないことかなと思います。ジョージ・フロイドさんのような動画を見て、みんなが平等に共存できるという私の無意識な考え方が壊れ、絶望感にも似た気持ちになりました。
大学で嫌というほど奴隷制の小説を読んで歴史を勉強してからは、今の時代にそんなに酷い差別は存在しないで欲しいと思っていました。それでも根強い差別意識は簡単に0にはできないことはわかっていました。でも、無意識に希望を持っていました。悲しい事だから考えたくなくて目を向けたくなかっただけかもしれません。このような問題に目を向けずに避けることも、差別行動に繋がる事が今回よくわかりました。
私には外国に友達がいます。黒人の友達もいます。私が想像できる範囲で、今回の件に関して彼らの気持ちを考えると胸が苦しくなります。私は黒人の友達もそうでない外国の友達も、みんな同じように大好きな友達です。だからすごく悲しいです。
追記
海外在住経験のある日本人(アジア人)の方であれば経験すると思いますが、私たちもやはり差別を受けます。白人ではなく黄色人種なので、黒人と同じ有色人種の部類に入ります。
しかし同じ有色人種の中にも差別は存在します。
特にアメリカでアジア人が差別される場合に多いのが、黒人からの差別だとよく耳にします。やはり彼ら黒人の中にも、人種の優劣が無意識のうちについてしまっているのだと思います。このような人種の差別意識はどの人種にもある事だと私は考えます。私含め日本人にも強い差別意識は残っています。
しかし私たちの若いグローバルな世代から、少しずつ意識を変えていく希望は持てると思います。ネットで世界の情報が一瞬で手に入る時代です。お互いの人種の優劣など考えずに、1人の人間として存在を認め、何かもっと他の有意義な事にエネルギーを向けて行けたら最高です。
私たちが出来ること
SNSで多くの人がわかりやすい形で人種差別について説明してくれていて、何が出来るのかをリストアップした画像や投稿が回っています。なのでここで深くは掘り下げません。
募金、署名、深い歴史のある人種差別の知識をつける、声を上げる、周りの人とディスカッションする、など、出来ることはたくさんあります。SNSで発信することだけが全てじゃないです。
とにかく人種差別を他人事と思わないことが大事です。
今までの自身の外国人に対する考え方とか、同じ日本人に対しても見た目で判断していた事を、振り返って見つめ直すだけでも何か自分の中に変化が現れると思います。
日本を超えて世界を見れば、人種に対する考え方は本当に様々なので、正解/不正確はないと思います。
人種差別について何か少しでも感じることがあれば、どんな形でもいいのでアウトプットして、その気持ちを忘れずに持っていて欲しいと思います。
世界中が一緒になって人種差別に立ち向かい、世の中がもっと良くなることを願っています。